最近よく耳にするビットコインの半減期って何?
何が起きるの?
ビットコインの半減期とは『ビットコインの新規発行枚数を半減させるイベント』の事です。
4年に一度のペースで行われていて、今まで3回の半減期後にはビットコインの価格が高騰しています。
半減期の仕組みや背景を理解する事で、なぜビットコインの価格変動やマイニングに影響を与えるのかを理解することができます。
本記事ではビットコインの半減期について初心者でも分かるように詳しく解説します。
ビットコインって何?
ビットコインとは世界で初のブロックチェーンを基盤としたデジタル通貨です。
インターネット上の取引で使われる仮装通貨(暗号資産)の一種で、円やドルなどの法定通貨のように中央銀行といった管理者が存在せず分散管理型の金融システムをとっており、紙幣や硬貨のような実物をもたないデータの資産、すなわち『仮想』の通貨なのです。
発行枚数に上限があることが、今回の半減期による価格変動に大きく関与しています。
ビットコインの特徴
- ブロックチェーンを使用しており、中央銀行が存在しない
- インターネット上に分散保存される取引台帳
- 発行枚数に上限がある
- 世界中にリアルタイムで送金できる
ちなみに・・・
以前は『仮想通貨』という呼び方が一般的でしたが、日本円などの通貨と混同されかねないこと、世界的にも呼称に変化がみられたことなどから、金融庁により2020年5月正式に『暗号資産』へと呼称変更されています。
インターネット上で使われる通貨なら、電子マネーの一種なの?
通貨価値をデジタルデータとして記録しているという点は同じです。
しかし、電子マネーはSuicaやPASMOなどのプリペイドカードのように国が発行した通貨(法定通貨)をデジタル化したものに対して、ビットコインは国や中央銀行が発行・保証されている通貨とは全く関係ありません。
では、もう少し詳しくみていきましょう!
ブロックチェーンって何?中央銀行が存在しないってどういうこと?
ブロックチェーンとはビットコイン取引の記録をまとめた台帳の役割を果たしている技術です。
トランザクションと呼ばれる取引データをブロックで管理し、そのブロックを一つのチェーン状にして分散管理していることからブロックチェーンと呼びます。
また、ビットコインは円やドルのように中央銀行が通貨として発行し、価値の保証をしている法定通貨とは違い、市場動向で流通量を調整したり、取引に介入したりする中央銀行が存在しないため、国家の権威から離れ、中央集権的な管理を受けないのが大きな特徴です。
インターネット上に分散保存される取引台帳とは?
銀行は、本店の金庫やメインサーバーなど1か所で、集中して通貨や取引情報が管理されています。
しかし、ビットコインは取引に参加している端末が個別につながるP2Pネットワークを構築し、全ての取引情報を管理しています。
分散型ネットワーク(P2P) |
1か所でネットワーク管理するのではなく、ビットコイン取引をする人全員が取引履歴などを共有できるようにするネットワーク。 |
ブロックチェーン | 取引履歴をブロックで記録し、取引履歴の全てをチェーンのようにひと繋ぎにして複数のコンピューターに記録する技術。 |
従来のクライアントサーバー方式のようにメインサーバーのみで全てを管理していると、サーバーの故障により停止するとシステム全体がダウンしてしまうという問題がありますが、P2Pネットワークなら一部の端末が停止してもシステム全体がダウンすることはありません。
また、ブロックチェーンはシンプルな構造ですが、チェーンに繋がれた各ブロックは直前のブロック情報を保持しているので改ざんは困難ですし、P2Pネットワークにより世界中の莫大な数の端末で記録されており改ざん検知も可能のため、ハッカーやサイバー攻撃に対し極めて強固なセキュリティーで守られています。
発行枚数に上限があるとどうなるの?
ビットコインは誕生当初から発行枚数は2,100万枚と決まっており、それ以上発行されることはありません。
法定通貨は中央銀行が通貨の流通量の増減で通貨の価値を誘導し、インフレを防ぐことができます。
しかし、ビットコインには管理する中央組織がないため、発行し続けていては市場にビットコインが余ってくるようになり、ビットコインの価値を下げることになるため、発行枚数の上限が決められているのです。
『金』も地球上の埋蔵量に限りがあるため、希少価値がついて価格が上がります。同様に、ビットコインも『デジタルゴールド』と呼ばれ、残り少ない量を多くの人が欲しいとなった場合に価格が上がります。
これが今回の半減期がおきる理由です。
半減期については、後ほど詳しく解説します。
世界中にリアルタイムで送金できるとは?
お金を送りたい場合、金融機関を介して送金をすることになりますが、銀行の営業時間外であったり、外国への送金の場合などは数日かかってしまいますが、ビットコインなら数十分で送金が可能です。
また、 ビットコインは仲介組織がないため、個人間でやり取りする場合は基本的に手数料がかかりません。(ウォレットが必要となります)
海外旅行では、通貨の両替が必要となり多くの手数料を支払わなくてはなりません。しかし、ビットコイン決済であれば日本でもアメリカでも両替の必要なく決済することが可能です。年々ビットコイン決済化可能な店舗が増えており、さらに拡大が予想されます。
ビットコインのマイニングって何?
ビットコインは前述のようにブロックチェーン上の通貨です。
取引を管理する中央組織がないため、それぞれの取引を成立させるうえで取引記録の検証・確定作業であるマイニング(採掘)は非常に大切な作業です。
マイニングとは取引記録の検証・確定作業
ブロックチェーンはいくつかの取引情報がまとめられたブロックをチェーン状に繋げて管理しています。
ブロック内には、ビットコインの取引情報が『ハッシュ関数』という特殊な計算方法で暗号化された状態で収められています。
この暗号を解読して、取引に間違いがないのを確認できればひとつ前のブロックの情報を追加して繋げていきます。この作業をマイニングといいます。
マイニングが成功すると報酬がもらえる
ハッシュ関数は理論的に解くことができないため、解読するには適当な数値をいれて正しい暗号を探すしかないのです。
そのため莫大なデータを高速で処理する必要があり、高性能のコンピューターと長時間稼働させる電力が欠かせず、かなりのコストがかかります。
暗号を解きブロックをチェーンに繋いだ人に対して、ビットコインが発行され、報酬として与えられます。現在、マイニングに成功した時のみ、一定量のビットコインが新規発行されます。
このように、マイニングにより取引の正当性を確保しながら、コインの新規発行も総発行量も全てプログラムで規定されているため、中央管理者が不在でも稼働しているシステムなのです。
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ビットコインの半減期って何?
ビットコインの新規発行ペースや総発行量もプログラムで規定されています。
総発行枚数は2,100万BTCと決まっており、1回のマイニングによる新規発行量は一定期間ごとに半減することになっています。
同じペースで新規発行されていくと、市場に流通する量が増えていきビットコインの価値が下がってしまいます。そこで、定期的に新規発行数を減らすことにより、市場に流通する量を制限しています。
物の価格は需要と供給で成り立っており、価格を一定に保つためには流通する量を調整する必要があるのです。
この仕組みが『半減期』であり、約4年に一度行われます。
新規発行量を減らしながら徐々に上限に近付いていき2140年ごろまでに上限に達して新規発行は停止される見込みです。
新規発行停止後は、取引検証を行う人に対してマイニングによる報酬ではなく手数料によってマイニング維持されるようシステム設計されています。
しかし半減期はメリットばかりではありません。マイニングによって報酬を得ていたマイナーは、報酬が半減してしまうため半減期が原因でマイニングから撤退する企業もいます。
ビットコインの価値を守るための仕組みであるとはいえ、マイナーにとっては大打撃であることは間違いありません。
ビットコインの半減期の影響は?
ビットコインの価格は様々な要因によって変動します。需要と供給のバランス、投資家の心理、市場ニュースなどが価格に影響を与える要因となります。
ビットコイン半減期によって、新規発行ビットコインの供給量が減少すれば、希少価値が高まり価格上昇の可能性が上がると考えられます。
過去3回の半減期がありましたが、半減期が近づくと価格上昇を期待してビットコインを求める人により需要が増え、半減期により供給量が減り価格が上昇する傾向にありました。
ビットコイン半減期はいつ?予想される未来は?
では、実際にこれまでの3回の半減期によるビットコインの価格変動を見てみましょう。
2012年の半減期
ビットコインは2012年11月に1回目の半減期を迎えました。
この半減期によってマイニング報酬は50BTC→25BTCに減少しました。
1回目の半減期では、ビットコインの知名度が低く市場規模も現在より小さかったこともあり、価格が大きく動くことはありませんでした。
2012年の半減期頃のビットコインの価格は1BTC=約1,300円でした
2016年の半減期
2016年7月に2回目の半減期を迎えました。
マイニング報酬は25BTC→12.5BTCに減少しました。
この時の半減期の2ヶ月ほど前に一旦価格が上昇し、半減期直前で下落、半減期後に緩やかに価格は上昇しました。
この頃のビットコインは1回目の半減期に比べ知名度も市場規模も大きくなっていたため、価格変動は大きくなりました。
2016年の半減期頃のビットコインの価格は1BTC=約70,000円でした。
その後、ビットコインバブルが起こり、2017年には2,000,000円を超えました。
2020年の半減期
3回目の半減期は2020年5月に迎えました。
マイニング報酬は12.5BTC→6.25BTCに減少しています。
2回目の半減期の頃よりビットコインの知名度・市場規模は更に拡大しており、マイニングから退くマイナーも続出しました。
2回目同様に半減期で一旦下落しましたが半減期後に緩やかに高騰し、2021年11月に最高値を記録しています。
2020年の半減期頃のビットコインの価格は1BTC=約930,000円でした。
その後、2021年11月には過去最高値を記録し7,000,000円を超えました。
4回目の半減期は2024年が濃厚
4回目の半減期は2024年と予想されています。
マイニング報酬は6.25BTC→3.125BTCに減少するようです。
過去3回の半減期の傾向から予測すると、価格変動はこれまで以上になる可能性もあります。
2023年12月現在、ビットコインの価格は1BTC=約6,000,000円になっています。
予想される未来は?
過去3回の半減期は、ある程度決まった値動きをしています。
過去の半減期のパターン
- 半減期の前・・・価格高騰の傾向
- 半減期の後・・・一旦下落し、その後緩やかに高騰する傾向
半減期でビットコインの新規発行数が減ることにより、「発行数が減るのならその前に購入しておこう」と考える人が増えるため、価格が高騰します。(需要の増加)
高騰し始める時期は、一般的に半減期の1〜2ヶ月前になります。
半減期後は新規発行数が半減する影響(供給の減少)で、市場は一旦売りトレンドになるため価格が下落しますが、半減期後しばらくすると価格はまた安定し、その後緩やかに上昇していく傾向になっています。
まとめ
ビットコインの価格変動は半減期だけが要因ではなく、世界情勢・政治的要因などにより大きく動く傾向にあります。
しかし、今までのチャートの傾向を見ていくと半減期は価格上昇にかなり大きな影響力があると思われます。
しかも過去3回の半減期の頃に比べ、知名度・市場規模共に遥かに拡大しており、ビットコインの価格変動は今まで以上のものになる可能性を否定できません。
今後のビットコインの値動きに大注目です!!
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